日本心理学会第78回大会・公募シンポジウム

2014年9月11日(木) 於:同志社大学 今出川キャンパス

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日本環境心理学会企画

「割れ窓理論再考:環境手がかりと状況的規範が秩序違反行動に与える影響」

企画代表者 島田 貴仁 (科学警察研究所)          
企画者,話題提供者,司会者 宮脇 かおり(京都府警察本部科学捜査研究所)   
話題提供者 森 康浩  (北海道大学)            
話題提供者 中俣 友子 (東北大学)             
話題提供者 沖中 武  (兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所)
指定討論者 羽生 和紀 (日本大学)             
指定討論者 大沼 進  (北海道大学)            

割れ窓理論(Wilson & Kelling, 1982)は,Zimbardo(1969)の自動車放置実験に端を発し,秩序違反の痕跡が,犯罪統制の欠如を推論させる環境手がかりとなり,さらなる秩序違反行動を助長すると考える。割れ窓理論は,国内外の犯罪対策の背景として用いられてきたが,その背景の心理学的機制は十分に検討されてこなかった。これに対し,心理学では,2000年以降,環境手がかりが行動を自動的に喚起すると考える状況的規範や,人間の目の写真を看板で掲示する介入実験など,割れ窓理論の発展形ともいえる理論や実証知見が提出されるようになった。

そこで,本シンポジウムは,最近日本で実施された介入実験3つと評定実験1つの報告を踏まえ,環境手がかりと状況的規範が秩序違反行動やその抑制に与える影響について議論する。割れ窓理論に基づく介入研究は,フィールドでの応用研究としての価値のみが注目されがちであるが,本シンポジウムでは,指定討論に時間を割き,応用研究を超えた心理学的意義について共通理解に至る場としたい。