WS039 日本環境心理学会企画

近隣と犯罪を考える

企画者             日本大学 羽生  和紀
企画者       警察庁科学警察研究所 島田  貴仁
司会者       警察庁科学警察研究所 島田  貴仁
話題提供者           法政大学 岩倉   希
話題提供者           東京大学 高木  大資
話題提供者 福島県警察本部科学捜査研究所 三本  照美
話題提供者 岩手県警察本部科学捜査研究所 長澤  秀利
指定討論者          駿河台大学 小俣  謙二
指定討論者          立命館大学 埴淵  知哉

企画要旨

近隣環境は住民の社会統制や自然監視性などを介して犯罪発生に影響するとされる。近年、自主防犯パトロールなど近隣単位の防犯対策が隆盛を迎える一方、データハンドリングの改善や分析方法の普及により研究事例も増えている。本ワークショップでは近年の研究事例を概観し、理解を深めたい。岩倉氏は社会解体理論、日常活動理論に基づく町丁目データの分析結果を、高木氏はソーシャルキャピタルに着目したマルチレベル分析の結果を報告する。三本氏、長澤氏は地方都市における街頭犯罪・侵入犯罪の分析結果をもとに、近隣レベルでの犯罪統制の可能性について話題提供する。小俣氏は環境心理学、埴淵氏は地理学の立場からそれぞれコメントする。本テーマは、地理学や社会学、工学など学際的に研究が発展しているが、概念・用語の不統一、生態学的誤謬の危険性、変数統制の難しさを伴うチャレンジングな分野である。心理学ならではの精緻さを目指したい。